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手漉き 藤田ひかるさん

--------- アワガミに入ったきっかけはなんでしたか?
藤田さん 大阪出身なんですけど、京都の美術系の大学に通っていた時に版画を専攻してたんです。
版画は紙も大事だということで紙漉きも自分でしていて、
京都の綾部市に黒谷和紙というのがあるんですけど、そこに泊りがけで実習に行ったりしてました。
で、就職活動をするときに「楽しかったなー」って、そのことを思い出して
何か紙漉きができる仕事はないかなと思ってここに来ました。

手漉き 藤田ひかるさん

--------- 和紙を作っていて楽しいと思うのはどんな時ですか?
藤田さん まだ2年目で、自分が漉いたハガキとかは売っていただいてるんですが、
出張で催事とかに行ったときに「これ私が漉いたハガキなんですよ」と
現地の人たちとお話しできるのは楽しいです。
あと手漉き以外に藍染めとか色々な作業もさせていただいているので、
お客さんに「これはどうやって作るんですか?」と聞かれて説明すると、
「えーすごい!」と言ってくださることがあるので、それはすごい嬉しいです。
--------- 反対に、大変だと思うのはどんなことですか?
藤田さん 大変なことはいっぱいあります(笑)。
手漉きは体力や筋力も必要で、私もある方だと思ってたんですが大変です。
何枚も和紙を漉くとなったら重たいし、冬は冷たいし。
漉いた和紙を脱水する前にちょっとシャワーで水をかけて粘りを取るんですが、
それも水圧を間違えるともう台無しだし、私おっちょこちょいなところがあって
「あー、やっちゃった!」って思うことがすごくあるので気が抜けないですね。

手漉き 藤田ひかるさん

--------- 今までで一番思い出深いことを教えてください。
藤田さん 手漉き以外にも原料を染めるっていう仕事があって、
その原料を染め終えて一回紙にして乾かしてみないと、どういう色になるか解らないんです。
テスト用の紙で漉いてみたときに、思った通りの色になっていれば嬉しいですし、
逆に違ったなって思う時でもどんな色を足したら思った通りの色になるかなっていうのが楽しいです。
--------- どのように和紙を使ってもらいたいですか?
藤田さん 今も絵を描いたりしてるんですけど、いろんな画材とかが値上がりしたり
輸入に頼らなければいけなくなったりしてて。
生活必需品じゃないと言えばそれまでなんですけど、画材を手に入れることがどんどん難しくなって
絵を描いている人が困っているのを体感しているので、
私の漉いた和紙で 誰かが作品を作ってくれたらなぁって思います。
日常使いじゃないけど、特別な時に使ってくれたらいいですね。

手漉き 藤田ひかるさん