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原料 藤田剛司さん

--------- アワガミに入ったきっかけはなんでしたか?
藤田さん 前職は料理人をしていて、結婚を機に地元での転職を考えてたんです。
小学生の時にアワガミに来て和紙のハガキや卒業証書を自分たちで漉いて作った経験があって、
地元の伝統を残していきたいなと思ったのが入るきっかけでした。
和紙づくりは料理と似ているところもあって、自分ではすんなり入れた気がしますね。

原料 藤田剛司さん

--------- 今までで一番思い出深いことを教えてください。
藤田さん 3人の子どもも通っている高越小学校が合併して新しく開校した時に、
高越山の絵画を制作させてもらったんです。
藍で染めた阿波和紙とかをあつらえた大きなモザイク絵画で、1階のホールに飾られてるんですが、
子どもたちはクラス写真をその絵の前で撮ったりして、学校のシンボルになってるんですよ。
そうやって子どもたちに地元の伝統文化を身近に感じて、触れてもらえるのは嬉しいですね。
--------- 和紙を作っていて大変だと思うのはどんなことですか?
藤田さん まず楮(こうぞ)、みつまた、雁皮(がんぴ)を釜場担当の人が煮てくれて、ちりを取る"水より"をしたものが僕のところに上がってくるんです。
季節や井戸水の状態によって、どうしても炊きむらが出て堅さが変わってくるんですが、
それを上手く調整して原料にするのが難しいですね。
和紙づくりは一人ではできません。各工程の人たちがそれぞれ責任を持って自分の仕事をしてるんで、
僕も原料の部分は責任を持って次の担当へ託すようにしています。

原料 藤田剛司さん

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--------- 今後の目標や夢があれば教えてください。
藤田さん 入ってからずっと仕事を教えてもらって、世話になっていた師匠の藤本さんという人がいたんです。
その藤本さんが3年前に亡くなって。仕事だけでなく、プライベートでもご飯を食べに行ったり、
職場のお父さんみたいな存在でした。
多分、今も見てくれていると思うんで、藤本さんと一緒にやっているつもりで、
これからもがんばっていきたいと思っています。
僕も年齢が上の方になってきたんで、今後10代や20代の若い子たちが新たに入って来たときに
和紙づくりの楽しさを伝えることができて、みんなで良いものを作り続けられたらいいですね。

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