--------- | アワガミに入ったきっかけはなんでしたか? |
伊藤さん | もともと染色などに興味があって、 大学時代には漆芸(※うるしの木から出る樹液を器の表面に塗ったり模様を描いて作品をつくる技術)を 勉強してたんですが、いずれ伝統工芸に関わる仕事をしたいと思っていて。 卒業してからは違う仕事に就いてたんですが、やっぱり伝統工芸に携わりたいと思っていた時に アワガミの募集を見つけたんです。 染色は昔からやりたかったんで、そこに惹かれてためらわずに応募しました。 |
--------- | 和紙作りのやりがいはどんなところにありますか? |
伊藤さん | 自分が作ったものがお客さんに届いて、クラフト用の和紙なんかで 「こんなモノを作りました」っていう声が届くと嬉しいですね。 あとは特注の大量の注文があった時に、希望や納期にあわせて作って、 それで満足してもらったときは「あぁ、良かったー」って思います。 最後まで商品にすることもあるんですが、和紙の加工だけをして納品することもあって、 それが納品先で加工されて商品になったものがお店で並んでたりするのを見たときも嬉しいです。 |
--------- | 反対に、大変だと思うのはどんなことですか? |
伊藤さん | 商品ごとに和紙の種類も違うので、裁断や折り曲げや糊付けなども違ってきます。 難しいのはその商品に一番合った紙の扱い方をするというところですかね。 和紙という素材があって、人の手が加わってできるものだから、 そこが上手く絡み合って良いものができるように見渡して調整するようにしています。 |
--------- | 今までで一番思い出深いことを教えてください。 |
伊藤さん | 毎年大学や高校などの卒業証書ファイルは作ってたんですが、 何年か前に県外の幼稚園から新たに依頼を受けて、それは他のとは違う形の要望だったんで、 先方と一緒に和紙の種類からサイズ、作り方を色々考えて納期ギリギリで完成させました。 幼稚園の先生からも感謝の言葉をいただいたのは嬉しかったですね。 |
--------- | どのように和紙を使ってもらいたいですか? |
伊藤さん | アート系の染紙のセットとか、和紙にも色々な種類があるので、 ほんと使い方によって可能性は広がると思うんです。 私も仕事以外で水彩画や陶芸の作品を制作しているんですが、和紙を使った発見がまだまだあるんで。 和紙が身近でない人にもぜひ手に取ってもらって、今の時代にあった使い方で 和紙の可能性を広げてもらえたらなと思います。 |