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--------- アワガミに入ったきっかけはなんでしたか?
原田さん 母がアワガミで働きよったんです。当時は主婦をしてたんですが家も近所やったし、子どもも小さかったし、
良いんじゃないかと母に勧められて入りました。
手漉きは原料によっても漉きやすさが違うんですね。
楮(こうぞ)やったら漉きやすいけん、1年くらいしたらいけるかなぁと。
雁皮(がんぴ)やみつまたは難しくて、特に雁皮は繊維が短いんですね。
それで水もあんまり動かさないように柔らかく漉かなあかんけん、上手くできるようになるまで
5〜6年はかかったかなぁ。

手漉き 原田賢美さん

--------- 和紙作りのやりがいはどんなところにありますか?
原田さん お客さんがこういうのが欲しいっていう要望があって、それに合うた紙ができた時やね。
手漉き和紙は原料からみんなが手をかけているんで、それは洋紙とかに比べたら全然違うと思います、
手作りというか。
--------- 反対に、大変だと思うのはどんなことですか?
原田さん 紙の厚さを揃えないかんのですよ。
それと、品質を。それが大変ですね。いつも一回は厚さを測って、あとはそれに合わせて。
いまでもちょっと大変です(笑)。

手漉き 原田賢美さん

--------- 今までで一番思い出深いことを教えてください。
原田さん 母とも20年くらい一緒に仕事ができたんで、それはなかなか無いことなんで良かったなと思います。
母は70歳過ぎまで来よったんかな。
手漉きも原料もいろいろやってて、大きい紙を漉く時とかは母から教わってました。
--------- どのように和紙を使ってもらいたいですか?
原田さん 買ってくれた人が使いたいように使ってくれたらいいですね。
--------- これからまだやってみたいことはありますか?
原田さん まあ元気にやれたらええかなと思います。若い人とも一緒に仕事しながら。
昔「紙漉きは一生勉強です。これでいいってことはありません」って言われたことがあって、
それが今はちょっと解りますね。

手漉き 原田賢美さん